第6章 9月
「ハッピーバースデーあおさん」
「ふふっ。ありがとうございます」
朝、知恵ちゃんから誕生日プレゼントが届きました。
赤い薔薇。
・・・知恵ちゃんらしくてありだと思います。
私の誕生日は和也君が夜祝ってくれています。
また一つ年をとりました。
「ごめんなさいね、こんな遅くなっちゃって」
「いえ!いつもは職場で年をとってましたから」
誰かに祝ってもらえるのが嬉しい。
しかも、忙しい和也君に。
二人で祝う誕生日。
ありです!
「翔さんからプレゼント預かってます」
「櫻井君から?・・・あ!」
そうだった。
毎年毎年、櫻井君は郵便でプレゼントを贈ってくれていた。
きっと今年も
「本ですって」
「やっぱり~」
ディズニー映画の本。
毎年二冊くれるんです。
今年は、『オズはじまりの戦い』
ありがとう櫻井君。
「忘れてない?」
「え?」
目を細めて睨む和也君。
「私もプレゼントあるんですよ?」
「あ!欲しいです」
「本当に?」
「はい!」
可愛く覗いてくるその瞳、
なでなでしたくなりますよ。
「じゃあ、あげてあげる」
「ありがとうございます」
「これ」