第2章 5月
「ただいま」
腕を回して抱き締めた。
温かい。
「お疲れ様です。お仕事」
「お休み貰えた。二週間」
「え?」
それだけ?という顔をしたこの子。
何か知った顔してますね。
「聞きましたよ。一ヶ月分」
「ふふっ。大変だったのよ?」
立っているのもなんだったから
あおさんをお姫様だっこしてソファに乗せた。
そして、私の支えの人に抱きついた。
「診察してください。看護師さん」
「診察?」
「キーース」
目を閉じて、待つ。
しばらくして、私の唇に当たった
あおさんの唇。
冷たい。
「冷たいですよ」
「ごめんなさい」
「なんで?」
「なんででしょう」
あおさん
「眠いの?」
「は・・・い」
「かわいいな~」
「和也君」