第2章 5月
「あ、あおさん」
つい机で眠ってしまった。
起きたらもう十時でちょっとびびった。
でも、毛布を握った、ずっと会いたかった人がいた。
なんであんなうるうるな目をしてるんですか?
笑ってしまった。
「おかえりなさいあおさん」
「あ・・・えっと・・・」
オロオロしてるあおさん。
えっとー、何があったんですか?
「あおさん?」
そう言った途端、毛布を床に捨てて、あおさんが走ってきた。
驚く私に構わず、胸に飛び付いてきて服に顔をうずめるあおさん。
「おかえりなさい!和也君!」
おかえりなさいに対して、おかえりなさいと返してくるこの人は、なんでこんなにかわいいの?