第2章 5月
荷物をソファに置いて近づくと、
眠っている彼に、
キュンとした。
やっぱり、まつげが長くて
整った顔立ちで
綺麗です。
和也君の部屋に毛布を取りに行くと
和也君の携帯が鳴った。
相手は
『大野さん』
携帯を手に取ってみたけど、なかなか起こす気になれなくて
勝手に電話に出ました。
ごめんなさい。
「も、もしもし?」
『あれ、葵ちゃん』
「ごめんなさい。和也君、眠ってて」
『あ、そっか。疲れてるだろうからね』
「忙しいんですね」
眠っている和也君に目をやる。
何故か大野さんがあ、そうそうというのに慌てて目を戻した。
『ニノね、いい感じにバラけている予定を全部一週間でやったんだよ。一ヶ月分全部寝ないで』
「え?」
『一人だけ、マネージャーに無理言ってね。
葵ちゃんとの時間を作りたかったんじゃないかな?』
胸がぎゅっと苦しくなった。
私の為に・・・無理して、頑張って。
一ヶ月分を一週間でなんて、大変に決まってる。
『ゆっくり寝かせたあとは、沢山甘えさせてあげてね』
「は、はい!」
『んじゃね』
「ありがとうございました」
電話を切って和也君を見ると、起きていた。
目をこすって、子供みたいです。