第11章 2月
「作ります。和也君が好きなので」
「恋人みたい」
「恋人ですもん」
「夫婦なんですけど・・・」
「・・・同じですよ」
ただお菓子の本をめくるだけなのに
袖を捲るあおさん。
よくわかりませんが、面白いから許す。
「何にするの?」
「何が好きなんですか」
「なんでも」
「なるほど」
あおさんの手作りならなんでも。
昔バレンタインデーにちょっとした事件を起こしちゃいましたからね。
こんなこと聞かれるっていいですね。
和也君、珍しく二月十四日楽しみですよ。
隣では、お菓子作りのシュミレーション中のあおさん。
そのページは、タルトが書かれてますね。
あ、今タルトにチョコ入れた(笑)