第11章 2月
「バレンティヌスの撲殺ね」
「知ってました?」
「まったく。てか誰それ」
私もコーヒーを持って和也君の隣に座った。
「和也君」
「ん?」
「いります?チョコレート」
「なんで?」
いつも思うことだけど、
ファンの方々とか女優さんにたっくさん貰うんですよね。
だったら、私からって欲しいですか?
ネガティブになってしまう私の悪い癖。
「沢山の方々に貰えるんでしょ?」
「それ、ヤキモチ?」
「違いますけど」
「ふーん。まあ、どうかな?」
私がずっと和也君を見つめていると
はぁーっと大きなため息をして
下を向いた和也君は
マグカップで器用に遊びながら
ぼそっと呟いた。
「そりゃあ、欲しいですよ?貴女が好きなんだから」
「・・・・・・」
どうしましょう。
かわいいです。和也君!
「悪い?」
「悪くないです」
「え・・・貴女私のこと好きですよね?」「好きですよ」
どうしましょうかね~。