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アイナナ夢

第29章 Rey23


23

逃げ出す様にレッスン室を出た私は、急ぎReyになる。
そのまま事務所に向かうと妙な空気だ。
社長と万理さんに誘導されて大型のワゴン車に乗り、そのまま移動を始める。

「そういやReyと出かけるのって初めてじゃね」
『言われてみればそうかも』
「たまにしか顔見せないじゃん?なんかやってんのか?」
『それは…』
「Reyは謎が売りなんだよ。な?」

大和さんに髪をめちゃくちゃに撫でられる。
ホントこれでもかってくらいよく撫でる。撫でるの好きなのかな。

『デビュー出来たらちゃんと話すよ。だから私のことは聞かないで欲しい。これ社長の指示だから』
「うん。そうだよ」

社長が返事をすると、それ以上聞かれることはなかった。
万理さんが運転する車が止まる。

「さぁ、着いたよ!」
「わー!川だー!」
「見ればわかるぞ」
「天気もいいし最高!夏休みみたいな感じ!」

目的地についてはしゃぎ出すメンバー。
ここのところ働き詰めだったし、ちょうどよかったのかも知れない。

「Reyは火起こし班な」
『勝手に決めないでよ』
「ノーーー!!!Reyはワタシと一緒は嫌ですかーーー」
『い、嫌とは言ってない…』

私の反応を見て大和さんが笑ってる。
ナギさんも一緒にしたの絶対わざとだ。

「頑張りましょうね!」
『う、うん』

それぞれに分かれるメンバー。
それにしても、火起こしってバーナーとか使えば速いのになんて思ってても言わない方がいいよね

『で、どうしてこんな原始的な方法でやろうと思ったの』

摩擦で火種を作るとかサバイバルじゃないんだから。
これで火が起こせなかったらバーベキュー出来ないでしょうに。

「ナギがどうしてもやってみたいって聞かなくてな」
『は…はぁ…』
「俺としては零にちょっかい出して来なくなるから大歓迎だけどな」
『なに言ってるの』

私が横目で睨み付ける。
大和さんは全然気にしていないようだけど。

「OH!火がつきました!紡見てください。この火のようにワタシのハートも貴女への恋に激しく燃えて…」
「あ。消えた」
「儚い恋でしたね…」

ナギさんって女の子を口説くのが趣味みたいなところがあるけど、紡さんは華麗に流している。
さすがに慣れているみたい。

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