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アイナナ夢

第23章 Rey17



ダンスの途中でスポットライトが壮五さんに切り替わる。
音響が回復したのかもしれない。

壮五さんのソロから音が戻る…。
タイミングも完璧だ。確か…ステージの指示を出していたのは…

『凄い……』

それ以上言葉にならなかった。




◇◇◇




IDOLiSH7の野外ライブは、短時間ながらもテレビで放送された。
思わぬハプニングで、主に環と壮五さんがメインで映ったことからファンにも偏りができていた。
デリケートな問題だし、私が口出しできるような話ではない。
なんだか…私だけ置いていかれそう。そんなことを思うようになった。

「高音出るようになったね」
『自分でも信じられない…』

少しづつではあるけど、確かに音域は広がりつつある。
それのせいなのか物足りなさを感じている。
もっと何かできるんじゃないかって。

「上手くいけばこのまま女性アイドルでもいけるかもしれない」
『えっと…』
「あぁ、ごめんごめん。音無さんが女の子だってことは俺もよく分かってるよ」

合間を見てレッスンに付き合ってくれる万理さんではあるけど、ここのところ忙しそうで無理強いしてるんじゃないかって思ってしまう。
私の仕事も手伝ってくれているんだから…本当に申し訳ない。
それが顔に出てしまったのか、万理さんが私の頭を撫でる。

「君は気にしなくていいんだ。これは俺の仕事だからね」
『それも、そうですけど…』

なんだか複雑。
決して楽をしているわけじゃないけど、腑に落ちないって言うかなんと言うか…。

『あ、電話』
「はい、小鳥遊事務所の大神です。はい…え、本当ですか!?ありがとうございます!…彼…、ですか?…はい。…はい、では後程ご連絡させていただきます。失礼いたします」

珍しく万理さんが興奮している。
電話の声は聞こえなかったけど、仕事の話なのは間違いない。

「大変ですよ…」
『仕事ですか?』
「それも大仕事だよ!ミュージックフェスタの出演依頼だ!」

ミュージックフェスタと言えば、私でも知ってる番組だった。
インディーズから大御所まで関係なく出演する生番組…。

『これでIDOLiSH7もデビュー出来る感じですか…?』
「それはどうだろうね。社長が決めることだよ。それにもう一つ…」

もう一つ…?
万理さんが私の目を見る。
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