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アイナナ夢

第23章 Rey17


17

結局私は大和さんにも楽にも返信をしていない。
必要最低限のラビチャしかしないのもあるけど。
2人とも忙しいのか、あれ以来ラビチャも着信も入っていない。

『チケットが3分で完売したって言うのに、メンバーの中に雨男でもいる?』
「そんな話は聞きませんけど…」

準備に追われていると、あっという間にIDOLiSH7の野外ライブ当日になってしまった。
駅前のライブとまではいかないけど、現在すごく曇っています。雷鳴りそう。

『テレビ中継も入るんでしょ?しかも生で』
「ローカルですけどね」
『ローカルでも凄いよね…』

こんな身近にアイドルがいるんだから。私も一応アイドル…だけど。
社長の計らいで、私は客席からライブを見ることになっていた。
他のみんなは裏方にいるっていうのに、関係者の私が一番前とかおかしいでしょ。

客席に移ると、夜なのか雨雲で暗いのかわからない空だ。
陸のMCから始まって、歌とダンスが始まり会場が熱気に包まれ出した。
それなのに…

『ぁ…』

自分の頭に冷たいものがポツリと落ちた。
とうとう降ってきてしまった。
それも小雨とか言うレベルではなく…ピシャーンッと近くに雷が落ちたらしい。
音も止まり、会場がどよめき出していた。
雷で音響がやられたのかも知れない。
ステージにいるメンバーの動きが止まったままだ。

『マズイ…』

そう呟くと、環にスポットライトが当たる。
折角のライブだ。諦めることはしないんだろう。
私だって諦めて欲しくない。

「……了解。俺が繋ぐ!」
「おまえら、手拍子!」

マイクの入っていない状態だった。
一番前だったせいで何を言っているのか聞こえてしまう。
これはこれでいいのだろうか?

「ハンズアップ!1、2……、1、2、3!」

私はナギさんの掛け声に合わせて手拍子をする。
すると、隣にいたファンも真似して手拍子を繰り返す。
手拍子に合わせるように環が踊り出す。
……ダンスは環がダントツだなって実感してしまった。
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