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アイナナ夢

第10章 Rey7




「おいで」
『っ!?こ、断る!』
「このまま行ったらお兄さん立ち直れないなー」
『いい大人が何言っ…!?』

視界が一瞬にして無くなる。
もしかしなくても抱きしめられてる…?
ど、どうしよう。恥ずかしくて爆発しそう。

「充電」
『っ…誰かに、見られたらどうするの』
「お前なら…別にいいかなって…」
『…え?』

そう言って大和さんが私から離れた。
なんかバツの悪そうな顔をしてる。

「すまん、今のは言葉の綾だ」
『…、は、早く行って』
「ん、行ってくる」

いつもの大和さんの顔に戻った。
あれだけ表情豊かならアイドルより俳優の方が向いてるんじゃ…。
大和さんを見送ると、さっきの事を思い出して私はその場で蹲った。

『あんの…ばか…!』

落ち着け。落ち着け私。
私はよろよろと立ち上がる。
大和さんに振り回されっぱなしなのがどうしても癪に触る。
いつか見返してやりたい。そう思った。

「んー若いっていいね」

ハッとして後ろを振り返るとお弁当を持った万理さんがいた。
あ、そっかそろそろお昼…じゃなかった!

『万理さん見たんですか!?』
「仲が良いのはいいけど、度が過ぎないようにね」

み、見られてる…?
一体どこから?

『そんなに仲良く見えますか…?』
「うん」

即答された。
何故。どうして。意味がわからない。

『大和さんが私で遊んでるだけですから』
「でも満更でもないよね」
『……』
「あはは、これは大和くんが大変そうだな」
『…?』
「それはそうとお弁当、少し持ってくれる?」
『すいません気が利かなくて』

万理さんが持ってるのはメンバー分のお弁当。
量があるのに私ってばほんと気が利かない。

「謝らなくていいよ。そこ開けて」
『あ、はい』
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