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アイナナ夢

第9章 Rey6




なんでもないようには見えないけど。
ライブ前に体調が悪いって言ったら大問題だとは思う。

「零」
『何?』
「今日のお前可愛い」
『……え?』
「本当は声かける気はなかったんだ。でもどうしても言いたくてな」

楽は私に「可愛い」と言いたいが為に連れて来たって事?
つまり……どう言うこと?

『普段こんな服着ないからおかしいかなっては思ったんだけど』
「凄い似合う。俺が言ったこと覚えてたのか?」
『…?何か言ってた?』

すぐに思い出せない。
最後に会ったのはいつだったか…出前を取った日?

「覚えてないのかよ」
『ごめん』
「っ、普段からそう言う格好すれば可愛いって言ったんだ」

同じ「可愛い」のはずなのに冷静でいられる私はなんなのだろう。
あの人が言う「可愛い」は死ぬほど恥ずかしいのに。

『あ、ごめん待ち合わせ時間過ぎてる。行かなきゃ』
「ったく…相変わらずだなお前。誰と待ち合わせだ?男か?」

嘘言っても仕方ないし正直に言おう。
デビュー前だし、名前は伏せたほうがいいかな。

『うん。男の人とおん「な、なに…零、お前…」
『待たせちゃってるから行くね。来た道戻ればいい?』
「あ…あぁ…」
『それじゃ、楽しみにしてるから』
「期待しとけよ」

そう言って私は会場正面へと急ぐ。


「俺を男として見てねえな…」



◇◇◇




【今どこですか?】

と、紡さんからラビチャが来ていた。
流石に楽と会っていたなんて言えないから少し嘘をつく。

『会場が広くて迷ってる…っと』

そう返信すると着信が入る。
相手はもちろん紡さんだ。

『はい』
「正面入り口で待ってますからなるべく急いでください」
『急ぐって…?』
「スムーズに会場に入る為です」
『うん。わかった。今いくよ』

急ぐと言っても走ったら多分迷惑なんだろう。
人がさらに増えててごった返している。

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