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アイナナ夢

第39章 Rey29




「零さん?」
『え、何?』
「途中から見ていなかったみたいですし、どうかしましたか?」
『私、大和さんと演技の練習相手になってたけど…練習の時とドラマと全然違くて……大和さんが大和さんじゃない気がして……』

役になりきるというのともちょっと違う。
全くの別人…見たいな……上手く言えないけど。

「そりゃそうだろ。普段の大和さんって零のこと甘やかしてるし」
『あま…???』
「本人がいないところで貴女の話ばかりですし」
『私の話…?』
「オレが見ても大和さんが音無さんのことがす…んぐっ!?」

何かを言いかけた陸が一織に口を塞がれた。
一織の手をどけようと陸が暴れている。

「それ以上言ったら怒りますからね」
「ぶはっ!?もう怒ってるだろ!!」
「怒っていません」
『一体何の話?』
「音無さんは気にしないでください」

そう言われると逆に気になるんだけど。
一織のことだから、追求しても答えてはくれなさそうだ。

『あれ、そういえばナギさんは?』
「そういえばいませんね…いつの間に出て行ったんでしょう…」
「大和さんのところじゃないかな?何か気にしてたみたいだったから…」
『話の邪魔になりそうだし、私は帰った方がよさそうだよね』

私がそう言うと、残ったメンバーが「え?」と言いたそうな顔をしていた。
そこまで遅いと言うわけでもないし、一人でも帰れるのに。

「貴女に何かあったらどうするんですか」
『私…?』
「貴女はすでにデビューしたアイドルなんですよ。自覚はあるんですか?」
『あ…』

事務所での演技の練習に付き合ってることが多くて、気になんかしていなかった。
そうだ…私、アイドルなんだった…。
でもそれを言うならみんなだってデビュー前のアイドルで…MEZZO"は違うけど…。

「もういいです。私が近くまで送ります」
『大和さんとじゃなくて?』
「正直に言えば二階堂さんに貴女を任せたくないですね」
『一織がそう言うならお願いしようかな…お邪魔しました』






徒歩でも十分行ける距離でもあったし、私と一織は歩いて行くことになった。
日が長いから今の時間帯でも十分明るい。それもあって歩いてる人も結構いる。
わざとなのか、一織は私を歩道側にして歩いていた。

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