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アイナナ夢

第35章 Rey26




「悪いな遅くに」
『私は別に構わないけど…世間的にはどうなの』
「良くはないわな。とりあえず中に入れてくれないか?」
『はいはい』

楽に言われるがままに部屋に通す。
外で喋ってたら逆に怒られそうだし。

『それで話って?』
「そう急かすなって」
『勿体ぶってる?』
「そう言うわけじゃねえけど…あぁもう、まどろっこしいのは抜きだ」
『?』

楽が自分の頭をガシガシ掻いている。
…もしかしていつもの髪型ってセットしてるのかな。
雰囲気が違うかも。

「惚れ直した」
『は、ぇ?…今なんて?』
「だからお前のこと惚れ直したって言ってんだよ」
『それが話したかった事?』

そう答えると、楽は呆然としている。
え、私何か変なこと言った?

「諦めたとは言ってなかっただろ」
『確かに言ってないけど…その……』
「好きなヤツが別の男の話してたら妬くだろ」

別の男…?
もしかして電話の話してるのかな。

『まさか大和さんの事?』
「なんだよ悪いかよ」
『ちょっと子供っぽいところあるけど、私のこと心配してくれてるだけだよ』
「本当にそれだけか?」

楽が探りを入れてる感が否めない。
同じ事務所なんだから気を使ってくれてるだけだと思う。
そうじゃなかったら大和さんの行動の意味がわからない。

『だって大和さん面倒ごと嫌いだし…』
「二階堂も多分俺と同じなんだろうな」
『どう言う意味?』
「俺も譲る気は無いけど」
『?』

詳しく話してくれないらしい。
私だけが何もわからないみたいでイラっとはするけど…。

「そうだ」
『なに?』
「お前のデビュー曲聴いたぜ。Schatzだったか。惚れ直した原因がそれだ」
『え』

歌と惚れ直すの接点がイマイチわからない。
でも歌う前と歌った後ではお客さんの反応も違かった気がする。

「凄く綺麗で切なくなる…おそらく既に何人もハート掴んでるぜ…俺もそのひとりだ」
『ハート…』

そう言えば大和さんも聞き間違いじゃなければ「綺麗だ」って言ってた。
もしかして大和さんのハートも?まさかね。

「Schatzってドイツ語だろ?お前の芸名もドイツ語で合ってるか?」
『合ってるけど…』
「ならReyは王って意味だな」
『"王って言うより王子様じゃね"ってふざけて言われた事ならある』
「誰に?」
『レッスン中に大和さんに…』
「また二階堂かよ」

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