第11章 告白11 初夜
智「風呂 サンキュー」
翔「ん ゆっくり出来た?」
智「おう ゆっくりしすぎて逆上せちまうかと思った」
翔「はは じゃあ俺も入って来るよ ちゃんと髪乾かしときなよ」
ドライヤーをおいらに渡して翔くんは浴室に向かう
ソファに座ってテレビをつけて
何を観る訳でもなくぼんやり映像を観てる
翔「…何観てんの?」
智「え」
翔くんが戻ってきた事にも気付かないくらい
ボーッとしてたみたいだ
けっこう時間たってんのかな
首にタオルをかけて
ボクサーパンツ1枚の翔くん
相変わらずいい身体してんな 彫刻みてぇ
やべぇ 真っ直ぐ見れねぇ
翔「ああもう 髪乾かしてないじゃない」
智「あ」
翔「あ じゃないよ」
呆れたように笑って
首にかけてたタオルをおいらの頭に被せて
わしゃわしゃと拭いてくれる
雑だけど 力任せにはしなくて
優しく拭いてくれてるのがわかる
翔「ドライヤーかける?」
智「んや いい 大丈夫 ありがと」
タオルを被ったまま 翔くんを見れば
優しい でもその奥に欲情の色が見えてる
あの日と同じ 翔くんの瞳
それが スイッチだった