第9章 告白9 精神論
『…翔…』
あなたの艶声が耳に残っている
俺の肌を撫でるあなたの手の感触も
あなたの肌の滑らかな感触も
静かな蒼い焔を纏った瞳も
甘く しっとりした唇も
あの夜の事は
ひとつだって 忘れてなんかいない
寧ろ 目を瞑れば
鮮明に思い出せる あなたの全て
俺だけのあなただった あの夜
翔「…智…」
気が付けば
熱を持ち始めた自分の中心に手をやり
『翔も…』
あの日のあなたを脳裏に想い浮かべながら
自分自身を擦り上げていく
翔「はっ…あ… 智…」
『翔…くん…あぁっ…』
あの時手にしたあなたの高まりを
あなたに手にされた俺の高まりを
脳裏に焼き付けた全てを想い出しながら
翔「くっ…!」
熱を吐き出す瞬間 想い出すのは
あなたの 優しくて切ない微笑み
『翔くん あいしてる…』
知らないうちに 涙が頬を伝う
こんなことをしてる自分が情けなくて
あなたを汚しているようで
大丈夫 と皆でいようと誓ったのを裏切っているようで
でも
あなたがいとおしくて
あなたが欲しくて どうしようもなくて
ねぇ 智くん
あなたも こんな夜を過ごしてる?