第9章 告白9 精神論
あの日 朝腕の中にいたあなたは
紛れもなく現実だった
その証拠に あの日の寝室は
あなたの香水の香りと
男の精の独特の残り香があった
シーツには
確かにあなたと寝ていた真実が残っていた
あなたがこの想いを貫こうと言ったら
おれも そうしていただろう
あなたが決めたことを 俺が否定する筈がない
あなたが決めたことを覆さないって
よく 知っているから
こころがかさなっているから 大丈夫
どんな辛いことも
今まで乗り越えられてきたんだ
あなたと2人
同じ苦しみを抱えているのなら
大丈夫 きっと堪えられる
でも もし
堪えられなくなったら?
今度こそ 壊れてしまうかもしれない
俺も あなたも
あいつらも 世間も捨てて
2人でいることを選べるなら その苦しみはなくなるのか
捨てられない
俺たちの想いを知ってまで
変わらない姿勢でいてくれるあいつらを
どうして捨てることが出来る?
考えても答えが出ない事を
堂々巡りで 考えて また考えて
ひとり 出口のない迷路をさ迷ってる