第7章 告白7 本能の赴くままに
柔らかい陽射しがカーテンの隙間から入ってくる
朝…
腕の中には
すやすやと寝息をたてる いとしいあなた
夢じゃない
この腕の中にいるあなたは現実で
嬉しさと安心感で涙が出そうになる
愛しさのあまり きゅっと抱き締めれば
微かに身動ぎがして
智「…ん」
翔「起きた…?」
智「翔…くん…? そっかあのまま…」
うっすらと瞼を開き
俺の胸に顔を押し当てる
智「夢じゃない…翔くんの腕の中にいる…」
翔「夢じゃないね…智くんが腕の中にいる…」
欲しくてたまらなかったものが
今 腕の中にいるこの幸せは
このまま感じていていいんだろうか?
自分の想いを優先して
あなたをこの腕に納めてしまっても
いくら あいつらが
この想いを認めてくれているとしても
世間的には 許されない禁忌
やっと歩き始めたアイドルとしての道には
同性愛は リスクでしかない
世間に隠して貫いたとしても
智くんの負担も あいつらの負担も大きくなる
それを押し付けてしまっていいんだろうか
智「…何考えてる…?」