第6章 告白6 理性の箍
智「翔くんに言わなきゃいけないことがある」
翔「…」
智「気づいてんだろ?」
ベッドの端に腰を下ろして
視線の高さを合わせて 翔くんの顔を見る
ぐっと 息を飲み込むのがわかる
智「おいら 翔くんが好き」
翔「…俺も 好きだよ」
智「…簡単に言っていい好き じゃねぇんだ おいらの言ってる好きは」
翔「…わかってる」
翔くんの瞳の力が 強くなる
時折見せる
何かをやり通そうとする時に見せる 強い瞳
翔「通常は異性に抱く好き …性的欲求を感じる ってことでしょう?」
強い瞳に射抜かれながら
静かに 頷く
智「そう …翔くんもだろ…?」
翔くんも 静かに頷く
翔「…おかしいよね 俺たち」
智「おかしいよな」
翔「そうだよね …でも」
一瞬にして 強い瞳が潤む
ああ そんな顔すんなよ
泣かせたい訳じゃねーんだ
翔くんの瞳から
すーっと 涙が零れ落ちる
無表情で ただ頬に伝わる涙が
それすらも絵になっていて 綺麗で
翔「…でも あなたが好きなんだ…」