第6章 告白6 理性の箍
その 頬を伝う涙を指で拭って
そのまま両手で 頬を覆う
翔くんの瞳に おいらが映ってる
智「おいらも同じ…それでも好きなんだ」
そう
例えオトコ同士でも
翔くんだから 好きなんだ
智「…もう お互い我慢するのはやめにしよう」
翔「でも…」
智「大丈夫 …おいらを好き って言ってみろよ」
静かに
翔くんの指が おいらの唇に触れる
少し震えてる
おいらも
頬を覆ったまま 親指で翔くんの唇を撫でる
翔「…好 き…」
智「おいらも」
翔「好き 好きだよ …智くん…」
智「おいらも好きだよ」
翔「好き…」
智「うん…」
お互いに 確認しあうように
何度も 何度も
言いながら 言われながら
まるで 夢の中みたいだ
おいら 翔くんに好きって言えてる
翔くんが おいらに好きって言ってくれてる
翔「夢じゃないよね…?」
智「うん 夢じゃない 現実」
翔「信じられない…」
智「うん 信じられないな…」
翔くんの指が
おいらの唇から離れて 首筋に降りてくる
翔くんに触れられてる
そう思うだけで 高まる熱
少しずつ お互いの顔が近づいていって
自然と 目を瞑る
距離感なんて 多分もうゼロで
お互いの唇を重ねあう
翔「…あなたが 欲しいんだ…」