第16章 告白16 制裁には制裁を
『翔くん…』
誰…?
『翔くん…早く起きろよ…』
智くん…?
どこにいるの…?
俺は 眠ってるの…?
ああ そうか
あいつに刺されて
あなたは 何もされなかったんだね
良かった
矛先が俺で
大丈夫だよ 智くん
痛みはあるけど 死ぬほどじゃない
早く あなたに触れたいよ
『おいらをひとりにすんじゃねぇよ…』
約束したでしょう?
ひとりになんてしない
ずっと 一緒にいるって
『早く おいらのとこに戻って来いよ…』
戻るよ あなたの隣に…
智「翔…くん…?」
翔「…」
智「おいらがわかるか…?」
わかるよ
俺の大切な 愛しい あなた
翔「…さとし くん…」
名前を呼べば
途端にその瞳から 零れ落ちる涙
智「…痛みは 無いか?」
翔「うん…少し…」
智「気分は…?」
翔「悪くない…」
あなたのほうが 具合悪そうだよ
ああ 俺が心配かけたから
ごめん そう言おうとしたら
あなたの両手が 俺の頬を包んで
俺の唇が 久し振りの感触を感じた
心地好い あなたの唇の 感触
智「…良かった…」
翔「ごめんね 心配かけて…」
俺の髪を撫でながら
ひたすら涙を流すあなたに 謝った