第15章 告白15 知能犯
独りでいると 余計な事まで考える
あなたにも
家庭を持って 普通の幸せを掴む権利はある
俺は その権利を奪ってしまった
あなたが いつかその幸せを望んだら
あなたを 手離すことが出来るだろうか
あなたに微笑みかける 優しそうな女性と
あなたに良く似た ふんわりとした笑顔の子供
想像しただけで 涙が流れてくる
あなたと離れるなんて 考えられない
もし あなたがそれを望むなら
俺は
あなたを 殺してしまうかもしれない
人の家庭を壊すかもしれないのに
自分の幸せを守ることを優先している自分に
嫌気がさす
あなたを みんなを守るためなら なんて
本当は
おれ自身の保身のため
人より良い家庭に生まれて育って
名門と言われる学校を出て
人並みに苦労はしたし 今もしてはいるけれど
事務所で高学歴と言われるのも
ラップ詩を書くことも
キャスターも 先陣をきった存在で
安定した地位を 築いた
あなたとも 想いを重ねて生きていて
仲間も それを理解してくれている
そんな今の俺の幸せを
壊されたくないだけなんだ
欲にまみれた 俺の 今回のこの件
みんなに あなたに 理解してもらえるだろうか