第4章 公園
なんでこうなった。
目を覚ますと、そこは桂さんといた遊園地……という期待は目覚めの悪さで打ち砕かれた。
そこは薄暗く、カビ臭い場所。
倉庫だろうか。
辺りには武器や資料、何かの本やらが散乱している。
その中の一つに『局中法度』と書いてあるものを見つけた。
何度も書き直された跡がある。
そこが真選組の屯所であるということに気づかされた。
「汚い場所……」
桂さんと一緒にいたのだから、取り調べのために
連れてこられたのだろう。
それは分かる。
だが………。
「お、ようやく目を覚ましたかィ」
コツコツと靴音を鳴らしながら、栗色の髪の男が近づいてきた。
一応警察なのだが、私の状態からか悪役にしか見えない。
「あの一つ聞いてもいいですか?」
「何でィ」
「何で私、亀甲縛りで吊るし上げられているんですか?」
手首だけ縛るのではいけなかったのか。
そう尋ねると、男はニヤリと笑った。
「俺の趣味でさァ」
「……………」
そして私はもう一つ気づかされた。
そういや、コイツSだったな。
「土方呼んで来ますんで、大人しくしといてくだせェ」
「この状態で動ける人がいたら、私は敬意を示しますよ」
「そうですかィ。ま、こんな経験は滅多にできねェだろうから、楽しんでくだせェ」
そう言いながら背を向けて、去っていった。
今更だが私の服装は、病院用のゆったりとした寝間着だ。
そして縛られているおかげで、胸元の布が大きく開いていた。
「………………」