第5章 アルバム…
スマホの画面に、真っ赤に染まった潤の顔と、ニンマリ企み顔の俺が映る。
「なあ潤? これから増やしてこうな、 俺とお前の記録」
俺にしては珍しくキザな台詞を吐いて、シャッターボタンを押した。
カシャッと小気味よい音を響かせて、対照的な俺達の顔が切り取られる。
「ねぇ、ちゃんと送ってよ?」
俺は頷くと、その写真を通信アプリを使って、潤のスマホに送信した。
「誰にも見せんじゃねぇぞ?」
「あ、当たり前でしょ? こんな顔…、兄ちゃんにしか見せらんないよ…」
だよな…(笑)
俺だってこんな、今にも蕩けちまいそうな潤の顔、誰にも見せたくねぇ…
背景がダンボール、ってのがなんとも色気に欠けるけど…
「ねぇ、兄ぃ…和…? 俺、もう…その…なんて言うか…」
“兄ちゃん”ではなく“和”と俺を呼ぶ潤。
どうやらスイッチが入ったみたいだな。
俺は潤をベッドに引き摺りあげると、スラックスと下着を剥ぎ取った。
そして見事なまでに大人に成長した中心を握りこんだ。
「なあ、潤…。ここも記念に写真撮っとくか?」
俺はスマホを潤の中心に向けた…が、あえなく却下された。
当然、と言えば当然何だけどね?
でもさ、潤?
離れていた時間が長い分、俺は今この瞬間の潤も残しておきたいんだ。
それが例え記録として残らない物であっても…
俺の記憶のアルバムに、お前を…
「和? どうしたの?」
「ん? いや、何でもねぇよ…。ほら、もっとちゃんと見せろよ…」
お前の記録を全部記憶にしてさ…
end…