第11章 決断…
最近潤の様子がおかしい。
さっきまで笑っていたかと思うと、急に暗い顔をして何かを考え込んだり、時には深い溜息を落とすこともある。
でも俺はあえて理由を訊くことはしない。
潤には潤の考えや思いがあって、その中には俺が立ち入れないことだって当然あって…
それは潤も同じで…
兄弟だから、家族だから、…恋人だからって、全てを共有する必要はない。
だからお互い、自分の中である程度の答えが出るまでは、例えばそれが俺達二人に関する事であっても、打ち明けることもしないし、相談を持ちかけることもしない。
冷めた関係だと思われるかもしれないが、それが俺達だから仕方ない。
ただなぁ…
こう毎日毎日目の前で何度も溜息をつかれると、流石の俺だって気になるわけで…
おそらく…だけど、潤が抱えてる問題は、潤一人ではどうやっても解決出来ない問題なんだと思う。
潤の深い溜息は、俺に対する“Help”のサインだ。
尤も、本人は無意識なんだろうけどね?
まあでも、潤の発信するサインに気付いちまった以上、このまま放っておくわけにもいかないし…
何より、セックスの最中まで溜息つかれちゃ、出るモンも出なくなっちまう。
仕方ねぇなぁ…
ここはいっちょ兄ちゃんらしく、相談に乗ってやるか…
俺は腰の動きを一旦止め、潤の中で今か今かとその時を待ち侘びていた中心を引き抜いた。