第1章 兄弟…
潤side
強引に、でも俺を労わるように少しずつ和が俺の中に入ってくるのが分かった。
でも俺の身体はそれを押し返そうとして、無意識のうちに強張ってしまう。
「力、抜けよ…」
「どう…していい…か…わか…な…、んくっ…」
見開いた目からは涙が溢れ、縋るものを求めた指先はフローリングに爪を立てた。
「んなことしたら、爪、割れんだろうが…」
和の手が俺の手をギュッと握り込んだ。
「だって…、ん…んん…」
言いかけた俺の唇を和の唇が塞いだ。
きつく食い縛った歯列を舌でなぞり、少しずつ隙間をこじ開けると、俺の舌に和のそれが絡み付いてきた。
「ん…ん、ふぁ…」
和からのキスの気持ち良さに、甘い吐息と共に身体の力が抜けて行く。
その隙をついて和がグッと腰を推し進めた。
「んぁっ…んん…ん、はぁ…」
ゆっくり瞼を持ち上げると、そこには俺を見下ろす和の優しい笑顔があって…
「全部、入った…の?」
「ん、お前ん中、超狭い…けど、すげぇ熱いよ…」
和のふっくらとした手が、俺の額の髪を掻き上げた。
そこに小さく落とされるキスが擽ったくて、俺はキュッと眉を潜めた。
「なぁ、動いてもいい? 俺、もちそうもないんだわ…」
自虐的に笑って和が身体を起こした。
俺の膝は胸に付くぐらい折り曲げられ、そこに和の身体が覆い被さった。