• テキストサイズ

愛される少女【HP】

第83章 ホグワーツ特急に乗って


ミネルバが、3本脚の丸椅子を1年生の前に置いて、その上に、汚ならしい継ぎはぎだらけの、とても古い三角帽子もとい組分け帽子を置いた。1年生や他のみんながじっと見つめる。一瞬、大広間が静まり返った。すると、帽子のツバに沿った長い破れ目が、口のように開き、帽子が歌い出す。

'いまを去ること一千年よりもさらにその昔 私は縫われたばっかりで、糸も新し、真新し そのころ生きた四人の魔法使い いまなおその名を轟かす 荒野から来たるグリフィンドール 勇猛なるグリフィンドール 峡谷から来たるレイブンクロー 賢明なるレイプンクロー 広大な谷から来たるハッフルパフ 温厚なハッフルパフ 湿原から来たるスリザリン 俊敏なるスリザリン ともに語らう夢、希望 ともに計画せし大事業 若い魔法使いをば、教え育まん学び舎にて かくして出来たるホグワーツ 4人の魔法使いそれぞれが 4つの寮を創立し 各自異なる徳目を 各自の寮にて教え込む グリフィンドールは勇気をば 何よりもよき徳とせ レイブンクローは賢きを 誰よりも高く評価せり ハッフルパフは勤勉を 資格あるものとして選びとり 力を渇望せしスリザリン 大望を何より好みけり 4人の魔法使いの生きしとき 自ら選びし寮生を 4人の魔法使い亡きその後は いかに選ばんその資質? グリフィンドールその人が その手段を見出し 4人の魔法使いたちそれぞれが 帽子に知能を吹き込みし かわりに帽子が選ぶようにと! 被ってみるがよい、耳のところまで
私はいまだかつて間違えたことはなし 私がきみの心の中を見てみよう そして教えん 寮の名を!'

歌い終わると、大広間に割れるような拍手が起こった。

「毎年、違う歌よね。やっぱり歌詞は、帽子が作ってるのかしらね?」

拍手をしながらミアが言う。

「どうだろうね〜」

組分けがどんどん進んでいき、あの男の子が呼ばれた。

「クリービー、デニス!」

どこかで聞き覚えあるなと思いながら、その子の組分けを見守る。身体の小さなその子は、ハグリッドのオーバーにつまずいてつんのめった。

「グリフィンドール!」

帽子のツバの部分の裂け目が大きく開き、帽子は叫んだ。いつの間に来たのかハグリッドが、グリフィンドール生と一緒に手を叩く中、デニス・クリービーはニッコリ笑って帽子を脱ぎ、それを椅子に戻し、急いでテーブルへとやって来た。

/ 559ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp