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愛される少女【HP】

第13章 真夜中の決闘


「もう大丈夫だよ、ネビル。離せって、ネビル!」

なかなか袖を離さないネビルにイラついたロンが怒鳴った。その声にみんながそちらを見ると、言葉も出ない恐怖に襲われているネビルがおそるおそる指で指したので、一斉にそちらを見た。

そこには巨大な3つの頭を持つ怪物がいた。それを見て大絶叫をしたが、ドアの近くにいた誰かが急いでドアを開けると転がるように外に出て、みんなで協力をしてドアを閉めた。そこからはみんなまた全力で走っていったが、これ以上走ると自分の体が持たないことを悟った私はゆっくり歩いていた。

「ニャーオ」

猫の鳴き声にハッとそちらを見るとそこにいたのは、ミセス・ノリスだった。ミセス・ノリスはこちらに近づいてくると、なんと体を私の足にスリスリしてきたのだ。

しばらくスリスリをしていたが、満足したのか一鳴きすると歩き出した。それをただ見ていたが、なぜかこちらを振り向き鳴いたのでついていくことにした。突然左に曲がったりと遠回りをしている感じがしたが、しばらくするとなんとグリフィンドールの寮に続く道に出ていた。

『もしかして、誰にも会わないように連れてきてくれたの?』

しゃがみこんで聞くと、こちらに近づいてきたミセス・ノリスはそうよと言うように鳴いた。

『ありがとう』

顎の下をしばらく撫でてあげてから、グリフィンドールの寮へ戻った。そこにはもう太った婦人がいて合言葉を言って中に入れてもらった。中に入るとそこにはハリーとロンの2人がいて、こちらに気づくと走りよってきて慌てたように話しかけてきた。

「ユウミ!気づいたらいなかったから、心配したんだ!」

「大丈夫?捕まっちゃったの?」

『大丈夫よ。可愛い案内人がいたから』

心配したように聞いてきたので、笑ってそう告げると不思議そうな顔をしていたが、安心したような顔に変わった。2人におやすみを告げるとそっと部屋に入り、ベッドに寝転がった。

今日は走ってしまったが、危なかったかもしれない。たまたま倒れたり、発作が起きたりはなかったが、次は足を引っ張らないようにちゃんと考えて行動をしようと決めて眠りについた。


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