第9章 喧嘩とそのあと
私を自分のベッドに腰かけさせると、その子は遠慮がちに聞いてきた。
「お隣に座ってもよろしいですか?」
『もちろんよ。あなたのベッドだもの。私も座ってて大丈夫かしら?』
「もちろんです!」
この状況がよくわからずにとりあえず身を任せていたが、名前も聞いてないと気付き訊ねた。
『お名前聞いてもいいかしら?私は...』
名前を聞いて私も自己紹介をしようとすると言葉を遮られた。
「あなたの名前はわかっています。私のような者に自己紹介は不要です。名前も名乗らずに失礼しました。私はミア・ホーキンスです」
名前を聞いて思い出した。ホーキンスは純血の家系で、確か純血主義であったがミアの祖父母に当たる人が異議を唱えて純血主義をやめたのだ。それによりマルフォイ家に見限られ、地位を落としてしまったところだった。それほどマルフォイ家の影響力は計り知れない。
『ミアと呼んでも大丈夫かしら?』
「もちろんです。どうぞ、そうお呼びください」
なぜか同い年の私に丁寧な言葉使いなのでそれをやめてもらおうと話をすることにした。
『えっと、ミア?私たちは同級生なのよ。丁寧な言葉じゃなくもっとフランクに接してくれて大丈夫よ?』
言い聞かせるように言うと、困ったような顔になったがそれも一瞬のことですぐに表情を戻し、首を横に振った。
「しかし!マーレイ家のお嬢さまにフランクになんて出来ません」
そのあと何回言ってもそれを曲げることはなかった。そのまま話しているとドアが開き、入ってきたのはクレアとエイミーだった。
『クレア!エイミー!』
そちらに近寄ろうとすると引き止められてしまった。
「マーレイさん!この2人はマグル生まれと半純血です!関わるべきではありません」
『...え?』
まさかそんなことを言われるとは思わずに、私は戸惑う。
「あなたに、そんなこと言われたくない〜。私達と関わるかは〜ユウミが決めることだよ〜」
しかし、すぐにエイミーが言い返したため部屋の中の空気は最悪になってしまった。私とクレアはおろおろするしかない。そのあとは私がなんとか2人の間に入り、順番にお風呂に入り寝る支度をして寝ることになった。