第25章 夏休み
私は夏休みの間、勉強をしていた。さすがに実技は出来ないから、勉学面だけだが...。そして今日はお父さまから大事な話があると言われた日だ。なんだろうか。
「お嬢様!ご主人様がお呼びでございます!」
『ありがとう、ディニー』
ディニーが呼びにきてくれたので、お父さまのいる部屋に向かった。
『お父さま、ユウミです』
お父さまから入っていいとの返事だったので部屋に入る。お父さまに示されたソファに座ると、私の前のソファにお父さまは座った。
『お父さま、大事なお話って?』
「セブルスから聞いたよ、賢者の石のことについて。そこで呪文を使ってある人を癒したこともね」
『!!』
お父さまは少し険しい顔をしている。お父さまはあの呪文について知っているのかもしれない。
「とりあえず、ユウミが無事で良かったよ。でも今年度は危ないことに首を突っ込まないこと。私はもうホグワーツからユウミが危険な目に合ったと手紙が来るのは遠慮したいんだ」
『...ごめんなさい』
お父さまが私のことを大変心配してくれたのがよくわかった。厳しいことを言うのも私への愛ゆえにというのもよくわかる。だから私は反省して俯いた。するとお父さまは私の頭を優しく撫でてこう言った。
「本当に無事で良かった」
微笑むお父さまに私も軽く微笑んだ。
「ユウミが使った呪文のことについて、今日は話をしようと思ったんだ。いいね?」
『はい』
こう切り出すと真剣な顔をしたお父さま。私もそれに答えるように返事をした。
「ユウミが使った呪文は、このマーレイ家特有の癒しの呪文なんだ。まずマーレイ家に生まれた子の魔力はとても質がよく強力だ。ユウミもそれを受け継いでいるよ。それゆえに幼い頃はコントロールが出来ずに、暴走を起こす。ユウミは起きなかったけど...。ここまではいいかい?」
私は驚いていた。まさか私が高い魔力にしかも質のよい魔力を持っているなんて。幼い頃の暴走がなかった理由は私が前世の記憶があることが一番の理由だろう。
『はい』