第1章 ご褒美/月岡紬/甘
『あの…この問題ってどの公式を使えばいいんですか?』
紬「ん?あぁ、ここはね……この公式をこうやって…」
紬はの部屋で勉強を教えていた
『なるほど!じゃあ…こうして、こうですね!』
紬「うん、正解!ちゃんは容量いいから次のテストは満点取れるよ!」
『そうですか?だといいなぁ…』
紬「毎日勉強もしてるし…大丈夫だよ」
紬はの頭を撫でた
『(紬さんに会うための口実に勉強してるだけなんだけどね……)』
紬「俺も頑張らないとね、ちゃんがいい点取れるように」
『あ、あの……!』
紬「ん?」
『次のテスト……満点取れたら…何かご褒美ください!』
紬「ご褒美…?」
『はい…!そしたらもっともっと頑張れるかなーって……』
紬「ふふ、いいよ。何がいい?」
『やったぁ!!あ、でも何にするかはまだ……』
紬「わかった。じゃあ考えておいてね」
『はい!』
今日も紬との勉強会は終わり、ベッドに入った
『(ご褒美……どうしよう……紬さんとならどんなことでもご褒美になるんだけど……)』
ご褒美を考えている途中でのまぶたは閉じられた
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そして迎えたテスト当日
『(あんなに勉強したんだもん……大丈夫……!)』
「始め!」
教師の掛け声と共にテスト用紙に向かう
『(わかる……わかる……!!全部紬さんとやったところだ‥!!)』
の手は止まることなく、最後まで走らせた
そしてテストは終わり、は寮へ戻った
『ただいまです〜…』
寮からは誰の声も聞こえない
『誰もいないのかな……』
は庭に向かった
『あ、やっぱりいた』
花壇に水をやっている紬の姿が
『紬さん!ただいまです!』
紬「ちゃん!おかえりなさい」
『綺麗に咲きましたね、スイセン』
紬「ちゃん…花の名前わかるの?」
『はい!私もお花好きなので…黄色いスイセンの花言葉は尊敬、心遣い…です、確か』
紬「へぇ…花言葉にも詳しいんだ」
『面白いので、花言葉。切なかったり…元気をくれたり…。紬さんにぴったりですね!スイセンの花』
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