第9章 お手紙
朝の出来事のせいで授業も集中できずにみんなに心配された
恐怖と不安で今にも体調が悪くなる…
それなのにもかかわらず佐賀美は資料を美術室に運べと言うし…
『(どうしよう…まーくんやりっちゃんに言う…?でも…心配かけちゃうし…)』
ドンッ
『ひゃ…っ』
泉「っと…!」
後ろに倒れそうな若葉の腕を掴んで引き寄せた
『い……瀬名先輩』
泉「ったく、ちゃんと前見て歩いてよねぇ」
『す、すみません…』
意外と力ある…
昔とは違うんだ…
泉はさっきの拍子で散らばった資料を拾った
『あ…すみません…』
泉「顔色悪いけど…大丈夫なの」
『へっ…、だ、大丈夫です。ありがとうございます』
泉「別にぃ。自己管理ぐらいしっかりしなよねぇ」
『はい…。すみませんでした…』
資料を拾い終えて泉に軽くお辞儀をして美術室へ向かった
泉「…………」
『あれ…開いてる…』
鍵持ってきたのに…誰か使ってるのかな
『失礼しまーす…』
しかし中から誰の応答もなかった
『閉め忘れかな…まぁいいや。資料置いて戻らなきゃ…』
若葉は教卓の上に資料を置いた
ガシャン!!!
『…!?』
勢いよく扉が閉まった
『だ…誰…!?』
「ようやく会えたね…コヨミ」