第2章 転校初日
「そうだったか。俺は3年の鬼龍紅郎だ。よろしくな」
『はい、よろしくお願いします』
紅郎「…お前…俺のこと怖くないのか?」
『え?』
紅郎「いや、初対面でこんなに怖がられないのは久しぶりでな」
『怖くないですよ?だって助けてくれたじゃないですか。とっても優しい人ですよ、鬼龍先輩は』
紅郎「!!」
人は見た目に寄らずって言うしね
『あ、そうだ。あの、いきなりですみません、少しだけお願いを聞いていただけませんか?』
紅郎「お願い…?」
『はい、鬼龍先輩の部活動を見せてもらってもよろしいですか?』
紅郎「部活を?」
『はい、早く学院に馴染むためにも部活動や委員会、ユニット練習などを見学しようかと思いまして』
紅郎「偉いな、いいぜ。付いて来な」
『ありがとうございます!』
笑顔で鬼龍の後ろをついていく若葉
ガラッ
紅郎「鉄、客だ」
「大将!!客…?」
『はじめまして、白雪若葉です』
「押忍!!俺は1年A組南雲鉄虎ッス!よろしくッス!!」
『よろしくお願いします、南雲くん』
紅郎「鉄、早く着替えて稽古だ」
鉄虎「うッス!!」
空手部のいつもの活動を見ていた
鬼龍紅郎先輩は伝統芸能を重んじる和風ユニット《紅月》の1人
南雲鉄虎くんは戦隊ヒーローユニットの《流星隊》の1人…だっけか
伝統芸能のパフォーマンスも戦隊ヒーローのパフォーマンスも気になる
早くユニットの練習も見てみたいな
紅郎「空手部はどうだ」
『とても男気溢れる、かっこいい部活ですね。ビシッと決まる突きや蹴りがかっこいいです!』
紅郎「そうか、よかった」
『あ、長いことお邪魔してすみませんでした。僕はそろそろ次のところに行きますね』
紅郎「あぁ、気をつけろよ」
鉄虎「また来てくださいッス!」
『はい!ありがとうございます!』
2人に手を振って部室を出た
鉄虎「何か…変わった人ッスね」
紅郎「あぁ。面白いやつだ」