第6章 お姉ちゃん
そして長い授業もやっと終わり、みんなはそれぞれの活動へ向かった
『(さて。私も演劇部に行かなきゃ…)』
嵐「若葉ちゃん♪」
『あ、お姉ちゃん!』
嵐は教室に入り、若葉の席へ
『この前はごめんなさい!迷惑かけて…』
嵐「それはいいのよォ。ちゃーんと熱は下がったの?」
『うん。もう大丈夫。ありがとう』
嵐「………」
嵐は微笑みながら若葉の頬に触れた
『お姉ちゃん…?』
嵐「チサちゃん…でしょ」
『…!!』
嵐「どうして男の子の格好してこんなところにいるの?」
『な、何言って…』
若葉は後ずさりするがすぐに壁に阻まれた
『……っ』
嵐は若葉に迫り、いわゆる壁ドンをされている状態
『(どうしよう…頭が真っ白…何か言わなきゃ…何か…)』
嵐「違うなら違うって言って頂戴?」
『……っ』
そういうお姉ちゃんの目はすごく真剣で逸らすことができない
『…ごめ…なさ…お姉ちゃん…』
嵐「チサちゃん…?」
『は、い…』
ギュッ…
『!!』
嵐「もうっ!!どれだけ心配したと思ってるの!!」
『お姉ちゃ…』
嵐「いきなりいなくなって…本当に心配したのよ…」
嵐の目には涙が溜まっていた
『ごめんなさい…ごめんなさい…っ!!』
嵐は優しく若葉の頭を撫でた
落ち着いた若葉は、過去に何があったかかを話し始めた