第12章 目眩く日々
奏汰「これをつかってください」
渡されたのは深海先輩のジャージ
『でも……それじゃあ深海先輩が…』
奏汰「ぼくはだいじょうぶですよ~。ぼくはだれかがこないかみていますから、きがえてください」
『えっ…』
奏汰「わかばは「おんなのこ」でしょう?」
『え、な、何で…』
奏汰「ふふ、「かん」ですよ」
『勘って…』
奏汰「だいじょうぶですよ、だれにもいいませんから~」
ニコニコ笑いながら部室を出た
『え、え、何で……何で…!?』
驚きながらもずっと外に深海先輩を待たせるわけにもいかない
『とりあえず着替えて…』
ブレザーのボタンを外して脱ぐ
『あ』
シャツが濡れて下着が透けていた
『~~~~っ!!』
奏汰「~♪~♪~♪~」
ガチャッ…
『すいません……深海先輩…』
奏汰「きがえおわりましたか?」
『はい……ちょっとどころじゃなくぶかぶかですけど…』
奏汰「ふふ、かわいいですね」
『(下着見られた……恥ずかしい…)』
奏汰「わかば、かおがあかいですよ?」
『な、何でもありません……』
奏汰「たこさんみたいです…♪」
『あの……』
奏汰「はい?」
『いつから私が女って…』
奏汰「このまえいっしょに「みずあび」したときですよ~」
『えっ……また下着透けてました…!?』
奏汰「いえいえ、ほんとうに「かん」ですよ…♪」
『そうなんですね…』
まだまだ甘いなぁ……私…
奏汰「さっきもいいましたけど、だれにもいいませんよ~?」
『はい、ありがとうございます』
奏汰「ばれたら…いなくなっちゃうんですよね…?」
『…そういうことになりますね』
奏汰「ならいいません。わかばにはいてほしいですから」
『そうなんですか……?ありがとうございます』
奏汰「ふふ…♪」
『あ、そろそろ帰らないと……ありがとうございました』
奏汰「きをつけてかえるんですよ~?」
『はーい!』
若葉は海洋生物部の部室から出た
奏汰は扉にもたれかかってズルズルと腰を落とした
奏汰「……「みずたま」…でしたねぇ……//」
熱くなった顔を手で覆った