第2章 転校初日
体育館の隅で1人バスケットボールを抱えて体育座りしている男の子が
『はじめまして』
「え…?」
『僕今日転校してきた白雪若葉です。よろしくお願いします』
「は、はぁ…。よろしくお願いします…」
『名前教えてもらっていいですか?』
「俺は…高峯翠…です」
『よろしくお願いします、高峯くん』
翠「はい…」
若葉はチラッと翠のジャージのポケットを見た
そこにはゆるキャラのストラップが
『そのキーホルダー可愛い…』
翠「え…?」
『あ、ごめんなさい、ポケットからストラップが見えて…つい可愛くって』
翠「…この可愛さをわかってくれるんですか…!」
翠がふわっと笑う
『はい!可愛いです!』
翠「う、嬉しい……」
部活の見学よりも翠とゆるキャラについて話していた
『お邪魔しました~!』
スバル「じゃあまた明日~!」
『うん!』
千秋「気をつけて帰るんだぞ~!!」
『はい、ありがとうございます!』
翠「あの…」
『またお話ししましょうね、高峯くん!』
翠「!!…はい…!!」
嬉しそうに頷く翠を見て微笑む若葉
帰ろうと後ろを向くと肩を掴まれる
『!!』
真緒「送ってくから待ってろよ」
『大丈夫だよ?』
真緒「いいから」
『…わかった。校門で待ってるね』
真緒「片付けしたらすぐ行く」
『うん』
若葉は学院の校門にいた
外はもう薄暗くて街灯が灯る
凛月「あれぇ…コヨミ何してるのぉ」
『…りっちゃん、ここではその名前で呼ばないで…。まーくん待ってるの。部活終わったら一緒に帰ろうって…』
凛月「まーくんずるい…」
『え?』
凛月「俺も一緒に帰る…」
頬を膨らませた凛月が若葉の裾を掴んだ
『じゃあ一緒に待ってよっか』
凛月「ん」