第9章 君を守る為に
カーテンの隙間から差し込む
太陽の光に
朝が来てしまったんだと
気付かされる…
温かいベッドの中で
くるりと寝返りをうつと
無防備な顔をして眠る
すばるくんがいて
きれいな真っ黒な髪を
ふわふわと撫でると
眠っているのに
気持ち良さそうに
口許をふにゃりと緩める姿が
すごくかわいくて
愛しいと心から思う…
だから
いまこの瞬間に
感じてるこの気持ちを
宝物にしたいと願うんだ…
「ん…起きたんか…?」
そんな少し掠れた声をだす唇に
指を伸ばし輪郭をなぞって
キスをする…
この声を
触れた唇の感触を
忘れずに覚えていたいから…
「朝から大胆…(笑)」
そう言って
少し照れて笑う顔も
照れながらも嬉しそうに
私の髪を撫でる優しい手も
全部…全部…全部……
すべて残さず
私が覚えておくから……
「すばるくん…」
「ん……?」
「ごめんね……?」
わがままで
欲張りな私を
許さないで
早く忘れてね…?