第9章 君を守る為に
みちside
感情にまかせて
亮ちゃんの部屋を飛び出したところで
今の私には
どこにも行くところなんて無くて
ぼんやりとただ
足を動かし続けていると
いつの間にか目の前に
すばるくんの住むマンションが見えてくる…
「どれだけ自分勝手なんだよ…私…(笑)」
そう小さく笑いながら
目の前のマンションを
見上げると
街頭や街の明かりで
夜でも明るい空に
小さく弱々しく
でも一生懸命に光る星が一つ…
そんな小さな星に
「今日だけ…
今日1日だけなら…
自分勝手に…
わがままになってもいいかな…?」
そう話しかけても
小さな星は
当たり前だけど何も言わず
その場でずっと光続ける…
それでもいい…
誰も許してくれなくてもから…
今日1日だけ
たった一度だけ…
嘘のない自分で
すばるくんの側に
私はいたいんだ…
ごめんね…亮ちゃん…?
わがままで…
ごめんね…すばるくん…?
自分勝手で…
それでも今この瞬間だけは
誰を傷付けても
明日今よりずっと
苦しくなるって解ってても
自分の気持ちに正直に
いたいんだ…