第8章 わがままな想い
すばるside
見ないふりをして
聞こえないふりをして
そうやって毎日を過ごしてたら
いつの間にか
痛みにさえ鈍感になってて
こんなにも心はぼろぼろにすり減って
痛がってたんやなって
"行くな……"
そう言って掴んだ手を
あいつが振り払った瞬間
気付かされる…
いくらなんでもこれは
残酷すぎへん…(笑)?
離れるんなら
戻らへんなら
あんなにも簡単に
手を離すんなら
なんでキスなんかしてくんの…?
あんなんされたら
思ってしまうやんか…
もしかしてあいつは
俺があいつを想ってんのと同じように
俺を想ってくれてんちゃうかって…
そんなわけないのに
またあほみたいに
願ってしまうやんか…?