第8章 わがままな想い
逃げるように
勢いよく飛び出した楽屋から
少しでも遠くに行きたくて
息が苦しくなるのも気にせずに
必死に階段をかけ降りること10段目…
あと少しで階段を下りきれたっていうのに
私は…
そのあと少しにたどり着く前に
足を踏み外し
残りの階段を一気に勢いをつけて
滑り落ちる…(涙)
ズキズキと鈍い痛みを放つ
右足を抱え
恥ずかしくて…
情けなくて…
悲しくて…
階段に座り込みうずくまっていると
「そこ…邪魔なんやけど…?」
そんな声が背中から聞こえてて
「すいません…」
そう言って慌てて顔を上げ
立ち上がるとそこには
私の少し後ろで
私を見下ろすように立っている
すばるくんがいた…