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秘密

第7章 難しい恋


結局すばるくんとは

一言も話せないまま帰ってきた部屋の中


部屋着に着替え

ソファーに座る亮ちゃんの背中に



「あの…ね…亮ちゃん…

話たいことがあるんだけど…」



そう遠慮気味に声をかけると



「あぁ…そう言えば腹減ったよな…

何か食いに行くか…

デリバリーにするか…

どっちがいい(笑)?」


なんて笑顔で

亮ちゃんは話を逸らす…



そんな亮ちゃんの態度に

覚悟を決めたはずなのに

ズキズキと胸は痛みだす…



「えっと…

それはどっちでもいいんだけど…

だから私亮ちゃんに話があって…」




「うん…

じゃあデリバリーにしよか…?

何か今日疲れたしな…

とりあえずビールでも飲むか(笑)」




そう言ってソファーから立ち上がり

冷蔵庫に歩いて行く亮ちゃんの手を掴み




「亮ちゃんお願いだからちゃんと聞いて…?」



そう言った私に亮ちゃんは



「やめろや…」



下を向きそう小さな声で呟く…



「亮ちゃん…?」



「昨日した告白の返事やったら

今はまだ聞きたない…


お前が今誰を見てても

お前が俺を見てくれるまで

いつまででも待てるから


やからもう何も言うなって…」



そんな言葉を辛そうに吐き出すと

亮ちゃんは私の手を振り払い

寝室の中に入ってしまう…



一人になった部屋の中

ぺたりと床に座り込むと

床にポタポタと涙の雫が落ちて

小さなシミを作っていく…






どうしてなんだろう…?



どうして私のする恋は


こんなにも痛くて…

こんなにも苦しいんだろう…?



恋をすることが

人を好きになることが


こんなにもむずかしいなら




私はもう


誰も好きになりたくなんかないよ…
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