第7章 難しい恋
"どうしたらいい?"
"どうしたい?"
そんな問いに
頭よりも先に
体が咄嗟に反応をする…
唇が触れそうになる少し前に
顔を反らしキスを避けた私を
亮ちゃんは少し悲しそうに
見つめて…
「ごめんなさい…」
そう小さく呟いた私に
「謝らんでええよ…
でもその代わり
少しこのまま寝てもええ(笑)?」
そう笑顔で言うと
私を抱きしめながら
静かに目を閉じる…
どくんどくんと
規則的な音を立てる
亮ちゃんの心臓の音を聴きながら
ゆっくりと目を閉じると
目の前にすばるくんの笑った顔が
浮かんでくる…
今私の心の中には
すばるくんが居るんだ…
そう実感する…
最初は
私にも気付かないほどの
小さな小さな芽だったのに
今は私の心に深く根を張り
とても大きくて
かけがえのない花を
咲かせてしまった…
どうやら私は
自分でも気付かないうちに
すばるくんを好きに
なってしまっていたみたいで…
この気持ちを
どう伝えればいいのかなんて
解らないけど
亮ちゃんが目を覚ましたら
ちゃんとこの気持ちを
伝えよう…
上手くなくても
ぐちゃぐちゃになっても
亮ちゃんに嘘をつくことは
もう絶対にしたくないから
傷付ける覚悟を…
傷付く覚悟を…
逃げずにちゃんと
しておこうと思うんだ……