第7章 難しい恋
半強制的に
身の回りの荷物と一緒に
連れてこられた亮ちゃんの家の中
なんだか落ち着かなくて
ソファーに座ったまま
じっと銅像のように固まっていると
「みちー?」
寝室から私を呼ぶ
亮ちゃんの声が聞こえてくる…
"ふぅ…"と一つ
大きな深呼吸をして
「はいはい今行きます…(笑)」
笑顔を張り付け
そう言って部屋の扉を開くと
「悪いけど……着替え手伝って…?」
そんな予想外の言葉と一緒に
上半身裸の亮ちゃんが目の前に
現れて衝撃で息が止まりそうになる…(汗)
あまりに刺激が強すぎる光景に
「いや…あの…無理…(涙)?」
上ずる声を必死に抑え
そう言ってくるりと背中を向け
部屋から出ていこうとすると…
そんな私のお腹に
亮ちゃんの左手が回されて
「別に俺はこのままでおっても
エエんやけど…(笑)?」
なんて…
引き寄せられた腕の中
耳元で囁く声に
私の弱虫な心臓は
壊れてしまうんじゃないかってぐらいに
ばっくんばっくんと大きな音を
たて始める…(涙)
今にも爆発しそうな心臓に
危機を感じて…
「あの…解ったから…
解ったから少し離れて…(汗)?」
そう早口に言って
亮ちゃんの左手から抜け出すと
「はい(笑)」
なんて亮ちゃんは嬉しそうに笑って
私の手にシャツを乗せてくる…
仕方がないから
出来るだけ
亮ちゃんの生肌から目をそらし
動かせない右手から袖を通し
次に左手…
薄目を開けて
ボタンを一つずつ止めて
やった出来上がり♪
なんて胸を撫で下ろし
部屋を出ようと亮ちゃんに
背中を向けた瞬間
「いたっ…」
そんな声がして
「傷口が痛むの…?大丈夫!?」
そう言って亮ちゃんに駆け寄ると
次の瞬間私の体は
そりゃ見事に
ベッドの上に押し倒されていた…