第7章 難しい恋
みちside
亮ちゃんが入った処置室から
看護婦さんが出て来て
"もう大丈夫ですよ…"
そう声をかけられた瞬間
ちゃんと亮ちゃんの無事な姿を
自分の目で確かめたくて
亮ちゃんのところへ走り出していた
処置室に駆け込み
腕を吊られ
痛そうに顔を歪めながらも
笑顔で私に手を振る
亮ちゃんの姿に
我慢していた涙が一気に溢れだして
ベッドに横になる亮ちゃんにかけより
「ばか!!!」
そう泣きじゃくりながら叫ぶと
「怖かったやろ…ごめんな(笑)?」
なんて亮ちゃんら笑いながら
ケガをしていない左手で
私の体をふわりと優しく抱きしめる…
どくんどくんと力強く鼓動する
亮ちゃんの心臓の音を聞きながら
亮ちゃんが助かって良かった…
そんなことを
考えていた私を
すばるくんがこの時
どんな気持ちで
見ていたかなんて
この時の私は
少しも解っていなくて
ばかな私は
亮ちゃんの気持ちも
すばるくんの気持ちも
そして自分自身の気持ちにさえも
気付くことが
出来ないでいた……