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秘密

第7章 難しい恋


マネージャーと一緒に向かった

みちの家で俺が見た光景は


玄関に血溜まりを作り

青白い顔で力なく目をつぶる亮と


そんな亮の隣で

必死に傷口を抑え

服や手を血で汚した

みちの姿で…



マネージャーに亮を車まで運ばせ

その間に俺は

みちの血で汚れた服を着替えさせ

みちの手にこびりついた血を洗面所で

きれいに洗い流させた…



病院に着いてからも

不安気に小さく震えるみちの手を握り



無駄に長く感じる

待ち時間を二人で肩を寄せあい静かに

廊下で待ち続けた…





そして亮が入った処置室から

看護婦が出て来て


"もう大丈夫ですよ。

ご本人も意識戻られてます。"



そう告げられた瞬間

みちは強く握っていた俺の手を離し


振り返ることもなく

亮のいるところへ走り出してしまう…



なんでなんやろな……?


こんな時でさえ俺は

亮のところへ走り出すみちの姿に

胸が痛くなる…



みちの近くにおっても

ずっと感じてた孤独感は


きっと亮に対する劣等感で




どんだけ側におっても

亮の変わりにはなられへん


そう解ってるからや…



だから今俺は…


ベッドの上で笑ってる亮に

泣きながら抱きつくみちを見て



そっと病室の扉を閉めた…
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