第7章 難しい恋
亮ちゃんの熱も少し落ち着いて
少しだけのつもりでソファーに横になると
疲れた体に睡魔が押し寄せてきて
ぐっすり眠りこけること
うん時間…
「ふぁぁぁあ…………」
大きなあくびをしながら
目を開けると
「でっかい口やな(笑)」
なんて笑う亮ちゃんの顔が
目の前にあって
「亮ちゃん…熱は…!?
体はもうしんどくない…!?」
そう慌てて聞く私に亮ちゃんは
私のおでこにおでこをくっつけて
「もうないやろ(笑)?」
なんてにっこりと笑う…
あまりに近すぎる距離に
慌てて顔を離し
「あ…朝ご飯…食べるよね?」
ソファーから体を起こすと
「うん…ありがとうな…みち(笑)」
そう言って亮ちゃんは
嬉しそうににっこりと笑う…
「いいよこれぐらいでお礼なんて…
ちょっと待っててね(笑)」
そう言ってソファーから立ち上がり
キッチンに行こうと歩き出した私の手を
亮ちゃんが掴んで
「あの日な…?
俺は本当は………」
そう言いかけた言葉は
"ドン"という
玄関の扉を叩く鈍い音に
かき消される……
「何……?」
何度も何度も
激しく叩かれる扉の音に
玄関に歩いていく私の背中に
「行くな……!」
そんな亮ちゃんの
少し震える声が聞こえた…