第6章 すれ違い始める気持ち…
「ありがとう…すばるくん…
だいぶ落ち着いたから…」
そんな声がして
きつく抱きしめていたみちの体を
ゆっくりと離すと
まだ少し青白い顔で
俺の顔を見つめるみちと目が合う…
「すいません…
なんかちょっと寝不足で…
感情がぐちゃぐちゃになっちゃって…」
「そんなん別にええけど…
不細工な顔やな…(笑)」
そう言って
みちの頬に触れると
一瞬驚いた顔をしたあと
「正直過ぎて腹が立つ(笑)」
なんてほっぺたを膨らませながら
可笑しそうに笑う…
「ベッド行くか……?」
「ずっと側にいてくれますか……?」
「ええよ……別に(笑)」
そんな短い会話をして
みちをベッドまで連れていき
ベッドに寝転がるとみちの隣に
腰を下ろすと…
ベッドに投げ出した俺の手を握りしめ
ゆっくりと目を閉じる……
少しして
小さなみちの寝息が聞こえてきて
握りしめられたままの手を
そっと引き抜き
リビングに戻ると
みちがうずくまっていた場所に
くしゃくしゃに折り曲げられた
写真が一枚落ちていて
それを拾い上げ
きれいに手のひらで伸ばすと
それは……
亮に抱きしめられるみちの写真で
どくんと胸が
大きな音を立てる…
見ていられなくて
ひらりと写真を裏返すと
赤い憎しみがこもった文字が
目に飛び込んできて…
「これの…せいか…」
頭の中で
全てのピースがかちりと音を立て
はまっていく…
震える指で
スマホを握りしめ電話を掛け
「もしもし…?
お前今どこにおんの…?
解った…そこで待っとけ…」
そう言って電話を切り
ぐしゃぐしゃになった写真を
ポケットに押し込み
俺はみちの家から飛び出した…