第5章 失う覚悟……
亮ちゃんの彼女から渡された
一枚の封筒…
この封筒を開いた瞬間
私は本当に亮ちゃんを失ってしまう気がして
中身を見るのが
怖くて怖くて仕方がない
でも…
"亮はここにはもう来ないよ(笑)"
そんな
亮ちゃんの彼女の言葉の意味を
確かめたくて
ゆっくりと封筒の封を開き
中身を取り出すと
そこには一枚の写真が入っていて
その写真は…
昨日亮ちゃんが私の家に来た時のもので
亮ちゃんが私を抱きしめている
ところを写したものだった…
「どうして…これ…?」
訳が分からなくて
カタカタと小さく震える指から
写真がひらひらと床に舞い落ちて
慌てて拾おうと伸ばした手が
ピタリと動きを止める…
"お前は嘘つきの偽善者だ…
地獄に落ちろ!"
写真の裏に書かれた
真っ赤な文字に
喉の奥から小さな悲鳴が漏れる…
私は…
そんなに悪いことをしたんだろうか…?
たった一つの嘘が
こんなにも私を苦しめる…
ただ人を好きになっただけなのに…
ただ側にいたいだけなのに…
胸が苦しくて…
苦しくて苦しくて苦しくて…
息の仕方も解らなくなって
荒くなる息を感じながら
じわじわと溢れ出す涙と一緒に
目に映る全てが
モノクロに染まって行った…