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秘密

第5章 失う覚悟……


「亮ちゃん……!?」


そう叫びながら

玄関の扉を開くとそこには



「ごめんね……亮じゃなくて(笑)」


なんてにっこりと笑う

亮ちゃんの彼女が立っていて

身体中から冷たい水を浴びたように

血の気が引いていくのが解る…



確かに

私と亮ちゃんだけが知っている

あの音がしたのに


「どうして…?」


そう震える声で呟くと…



「あぁ…インターホンの音のこと?

あれ前にここに来た時

亮が変な押し方してるの聞いたから…

たぶん合図なんだろうなって(笑)

正解だったんだね?

だってみちちゃん…

すごい勢いで出てきたもん(笑)」


なんて…

可笑しそうにけらけらと笑う…


「それにしても…ひどい顔だね…?

亮を待ってて一睡も出来なかったんでしょ?

かわいそうに…


でも、もう待たなくて大丈夫だよ?

亮はここにはもう来ないから(笑)」




「……亮ちゃんは…?」



「亮…?

亮は昨日の夜からずっと私の家にいるよ?

だから…

みちちゃんのところには来ない…

解った?

あとこれは…

私からのプレゼント。」



そう言って渡されたのは

一枚の封筒で…


手のひらに乗せられた封筒を

何も言わずじっと見つめていると…




「絶対に見てね…みちちゃん(笑)?」



そう言って

私の髪を優しく撫でると

亮ちゃんの彼女はひらひらと手を振り



私の前からいなくなった…。
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