• テキストサイズ

秘密

第5章 失う覚悟……


"絶対に戻ってくるから…"

そんな亮ちゃんの言葉が嬉しくて


部屋の中を片付けながら

ちらりと時計を横目見ると

2時間が立っていたけど


そんなことは

全然気にならない!!



だって亮ちゃんが

待っててっていってくれるなら


私はいくらだって

待ち続けられる…!


そう思っていたけれど…


3時間がたち…

5時間がたち…


空が明るくなっても

亮ちゃんが戻ってくることはなくて



どんなに鈍感な私でも

気付かされる…



亮ちゃんはもう

ここには戻ってこないんだって…




でも…

それでもいい…


もう二度と見れないかもしれないと

思っていた亮ちゃんの顔が見れて…


もう一度私の名前を呼んでくれた…



それだけで十分だから…



寝不足でふらつく足を引きづり

ベッドにごろりと横になっても



体はすごく疲れてくたくたなのに

どうしても眠れなくて


ベッドの中で目を閉じ

ゴロゴロと寝返りを

打ち続けていると…



次に目を開いた時には

空は赤く染まり始めていて


朝から水さえも飲んでいない口は

カラカラに乾ききっていて

のそのそとベッドから起き上がり

冷蔵庫から取り出した水を

一気に口に流し込む…


今の時間は18時…


もう一度ベッドに潜り込んでしまおうか…?


なんて考えていると


"ピン…ピンポーン…"


昨日から待ちわびた音が

部屋の中に響き渡って


手に持ったままだった水の

ペットボトルを投げ出し


玄関に走り出した…
/ 82ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp