第5章 失う覚悟……
あの日から1ヶ月……
私の日常の中から
亮ちゃんが消えた…
毎日のようにかかってきていた電話も
くだらないことを言いあったメールも
"ピン…ピンポーン"の音も
一緒に過ごしてきた日々さえも
全て嘘だったかのように…
消えてしまった……
それでも毎日を
なんとか過ごしていけるのは
あの日から毎日のように
私の家に来ては
一緒にご飯を食べ
くだらない話をして
たまには一緒にお酒を飲む
すばるくんがいてくれたから…
最初の頃は
亮ちゃんを思い出す度に
すぐに泣いてしまう私を
すばるくんは
怒るでもなく…
呆れるでもなく…
ただずっと側にいて
手を握ってくれていた…
その手の温かさや優しさに
私は口では言い表せないほど
救われてきたんだと思う…
亮ちゃんを失っても
私が今自分を失わずに
なんとか息をしていられるのは
すばるくんが側にいてくれるからだ…